がん教育

学習指導要領に記載され、全国の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校において本格的にスタートした「がん教育」
2人に1人が「がん」になる現在の日本において「科学的根拠に基づいた情報をどう選択、理解し、活用していくか」さらに「生きている限り誰にでも起こりうる病気や死といかに向き合うか」という正解のない問いを考えることが大切になっています。

平成28年12月、国会にて改正された「がん対策基本法」では、がんの科学的な知識やがん患者に関する理解を深めることができるよう学校教育、社会教育の推進が示され、文部科学省では「がん教育」のさらなる充実に力を入れることになりました。

がん教育の目的(文部科学省のHPより)

  • がんについての正しい理解
  • がん患者とその家族、がんと向き合う人々に対する共感的な理解を深めるとを通して自他の健康と命の大切さについて学び、共に生きる社会づくりに寄与する資質や能力の育成を図る

平成29年3月に改訂された中学校、平成30年3月に改訂された高等学校の学習指導要領においてがんについて取り扱うことが新たに明記され、教科書での学習が行なわれています

また地域の実情に応じて、外部講師の活用体制を整備し、がん教育の充実に努めることが目標とされています。
がん教育の目的から、これらをより効果的なものとするため、医師やがん患者・経験者等の外部講師から、子どもにがんの正しい知識やがん患者・経験者の声を伝えることが重要だからです。

しかしながら実際は、外部講師を呼べる学校と、困難な学校があり、地域によって差が生じています。

こうした流れをうけ、大切でありながらも身近に感じられない、なんとなく怖いもの、死んでしまうもの、という印象をもちがちな「がん」を正しく理解するとともに、体験を通じて、生きる力と意識を育む学びに有効な補助教材として活用を提案しています。

平成28年より「第3期がん対策基本計画(平成30年閣議決定)」の策定に委員参加をした、代表理事の難波美智代の知見を 生かして、一般社団法人シンクパールでは、現在、がん教育外部講師の派遣や授業を通して、年間約10,000人に学びの機会をを提供しています。
さらに、平成29年より東京都健康教育推進委員会委員として、がん教育のあり方や外部連携体制構築の仕組みづくりを探求している
難波が、教育現場や教員や外部講師の負担を減らすために考案した「がんかるたパッケージ」により、学校における最適ながん教育の実現を目指しています。

外部の力を活用し、より円滑に「がん教育」を実現したい

外部講師を活用したがん教育の実現へ

  • 外部講師は、がん経験者の方や専門医なので「がん」は身近なもの
  • 知識を得ることは「がん」への対策の第一歩だと感じやすく、強い印象を与えやすい

「がん教育」の目的を果たすことができる

がんかるた

読札(例)

【か】カビのはえたたべものにはようちゅうい

カビのなかには、がんの原因になるものがあります。カビの生えたものは食べないようにしましょう。

【さ】37兆個の細胞で人のからだはできている

基本的に37兆個の細胞のなかのひとつが異常をきたし、増えつづけることで、がんになります。遺伝によるものは約5%といわれています。

【た】タバコダメダメよくないヨー

タバコはニコチンの影響で、一度すうとやめにくくなります。タバコをすう人は、すわない人の約1.3倍、肺がんになりやすくなります。

【な】ナイテモイイヨひとりじゃないもんここにいる

生きている限り、病気や死は誰にでもおこりうることです。

がんかるた

内容
絵札46枚、読み札46枚、白札4枚(使用目安:5~6人)
販売価格
2,500円(税込)
遊び方・学び方例
『がんかるた』で遊ぶ
遊んだ後、自分がとった絵札裏の説明文を読んで、理解を深める
白札に自分のオリジナルを作ってみる

開発・制作スタッフ

企画制作
難波美智代(一般社団法人シンクパール 代表理事)
伊勢華子(文筆家)

中学校英語教科書にも記載されている「たからものって何ですか」等の著者

イラスト
吉井みい(イラストレーター)

かえるのピクルス(C)シリーズなど、企業広告なども数多く手がける

デザイン
緒方修一(アートディレクター、装幀家)
監修
林 和彦(聖マリアンナ医科大学 客員教授、中学校・高等学校 保健科教諭)
和田勝行(日本医師会総合政策研究機構 主任研究員・元文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 課長)

※無償ボランティアとしてご協力いただいております。

伊勢 華子

「あ」〜「ん」までのひらがな46文字ではじまる言葉で「がん」のこと、どれだけ伝えられるだろう。がんかるたを作るときに最初に思ったことでした。掛け替えのない人ががんだったら、自分ががんだったら、浮かんだ顔を離さずに書きました。いつ誰がなってもおかしくないがんのこと。いのちのこと。考えるひとつの機会になれたらうれしいです。がんかるたがたくさんの子どもたちの手に届くことを願っています。

吉井 みい

「がんかるた」の絵札を描く中で、がんについて多く学びました。がんは予防可能な病気であり、正しい生活習慣が重要です。バランスの取れた食事、適度な運動、ストレスの少ない健康的な生活を心がけることが大切だと感じました。この「がんかるた」が、多くの方に健康の大切さを伝える大きな力となることを願っています。

「がんかるた」を活用した授業(実施例:千葉県市川市立第二中学校)

基本となるのは、全2コマ(50分/コマ×2回)です。これをもとに、学校ごとにアレンジした授業を提供しています。実践がんかるた、PCを使ったスライド活用、動画教材の視聴などを授業に組み込むことができます。

  • Action1状況把握
    事前アンケート

    保護者向け通知で理解を得て状況把握に努める。生徒に事前電子アンケートを実施、必要に応じて動画教材の予習を指示する

  • Action2スライド完成
    ワークシートの準備

    生徒の理解度を把握しながら、スライドを完成させる。授業後の生徒オリジナル「がんかるた」ワークシート、事後電子アンケートの準備をする。

  • Action3がん教育授業・講話

    スライドを活用したがん教育授業、講話を実施。

  • Action4生徒オリジナル「がんかるた」やポスター
    作成・事後アンケート実施

    「がんかるた」を行い、楽しみながら学んだ後、生徒オリジナルの「がんかるた」やポスターを作成。事後電子アンケートを実施。

「がんかるたパッケージ」の内容

  • がんかるた

    使用目安は5~6人です。
    生徒の人数に応じてがんかるたを使用ください。

  • ワークシート

    がんかるた実践後に、生徒がオリジナルで作成するための補助教材です。

  • 進行用スライド

    学習指導要領に準拠したスライドを使用して授業を進行いただけます。
    一年に一回程度、専門家の監修を得て更新します。

  • 指導のポイントとQ&A

    授業の進行手順や予想される生徒の様子、授業後のアンケートに基づいたポイントや質問、回答例などを記載している指導案です。

「がんかるたパッケージ」を活用すると・・・

  • 活用するスライドや情報の更新、端末を活用した情報共有ができる
  • 勉強感覚ではなく遊び感覚での学習ができる
  • 外部講師の講演資料や素材になることで、講師の負担を軽減できる
  • 教員が活用することで、外部講師の調整や謝金等、作業負担を軽減できる

『がんかるた』で遊びながら、知識をより深めてほしい

学校以外にも、図書館や学童、ご家庭でも遊んでいただくことができます